SEOを頑張っている方から良く「書き直しや書き足しはSEO対策に有効か」という質問を頂きます。
正直に言って、答えは限定的なYesです。というのも、リライト(書き足し・書き直し)は効果的と言われていますが、個人的には検索順位を下げてしまったことが何度もあるからです。
今回は、そんな質問の答えを導くために、長い期間と量をかけてリライトは効果的か?その重要性を検証してみましたので、皆さんの参考になれば幸いです。
評価されているURLで丸々リライトした場合
2021年1月10日に突然アクセスが集中した記事を、タイトルも中身も新しい情報に全て書き直してみました。
もちろん、URLは同じままですので、ページが評価されているけど、中身がガラリと変わったらどうなるのか検証。
ボリュームはリライト前とほとんど変わらないように工夫して書いた結果です。
検索結果に数日残っていたせいか、しばらくはアクセスされていたのですが、数日経つと定位置に戻り、その後はちょくちょくアクセスが来るように。
リライト前と比べてバズることがないにもかかわらず、そこそこのアクセスは稼げるようになったのかなという印象はあります。
実際に検索順位は一旦は落ちてしまったものの、再び上昇。
リライト前と同じ順位に落ち着いています。
それでも、検索で表示される日時が新しいため、クリック数が少し増えたのかと思います。
サーチコンソールで調べればわかるのですが、これはサンプルとしてはPVが少なすぎるので参考にならなそうですね。ごめんなさい。
リライトにより評価を下げてしまい、コンテンツの価値を低くしてしまったパターンも
次に紹介するのは、1月15日にリライトを行った記事のデータです。
年末年始を除き、100PVを頻繁に行くようなコンテンツでしたので、リライトすればもっと凄いことになるかもと期待して書き直しました。
リライトの内容は、タイトルは一部分だけをリライト、コンテンツの中身は一部を書き直して300文字程度と参考動画を追記した感じです。
これの場合、明らかにリライトして失敗したパターンになってしまいました。
リライト直後2~3週間程度は検索順位が変わらず、タイトルも修正前のままで検索表示されていました。
リライトの内容が悪かったとは思えないのですが、中途半端にリライトするとこんな感じになる場合があるということですね。
この失敗を糧にして、タイトルの変更はしないように考え方を改めました。
さらに感じたのは、WEB上に新しい情報が拡散されていないにもかかわらず、無理にリライトするのが良くなかったのかということ。
如何に最初の公開する段階で、完璧な情報を発信するのが重要か、、ということですね。
リライトは新しい情報が拡散されてからするべきものだという教訓になりました。
伸びている記事はリライトの必要は絶対にない
次に紹介するのは1月5日にリライトした記事。
その3か月ほど前に記事を作成して、12月あたりから評価されるようになってきていたため、足りない情報を少し足して勢いを付けようとした結果。
検索順位が次第に下がっていき、400~500PVあった記事だったのですが、4分の1程度まで下げてしまいました。
実際にサーチコンソールで検索クリック数を見ても落ちてしまっています。
伸びてきている記事を欲を出してさらに伸ばそうとしたらこうなってしまいましたが、リライトした内容はタイトルはそのまま、一部の表現の変更と300文字程度削除、書き足しを500文字程度行った感じです。
PVは伸びるという自信があったというより、どこまで伸びるのか楽しみにしていたのに、このような結果でしたので、リライトの難しさを感じました。
リライトがおそらく成功したという事例
通常は100PV程度の記事だったのですが、1月の中旬に少しバズったのでリライトを実行。
リライトした内容はタイトルはそのまま、記事の中身もほとんど変更することなく、「追記」という形で文末に追加しました。
追記の内容は新しくWEB上で話題になっている情報だけで構成し、文字数も1,000文字程度と、全体のボリュームが1.5倍になりました。
すると、中旬にバズった直後、1月中旬にまたもバズってくれて、この記事ひとつで1日最大942PVを記録。
これはリライトの効果ではなかったと思いますが、その後はアナリティクスでこんな感じのグラフです。
リライト前よりも平均PVが落ちているように見えますが、おそらくタイトルを変えていないので検索で流入したユーザーが再流入しなかったかと思います。
その証拠に、サーチコンソールの同じ期間はこんな感じです。
表示回数は明らかにリライト前よりも増えていることが分かります。
一方でクリック率が落ちてしまっているということは、タイトルがそのままだから一度記事を閲覧したユーザーがクリックしなかったのだろう、、ということですね。
タイトルの変更はもう怖くてできませんが、そこそこPVを稼げる記事ではなく、PVの少ない価値の低いコンテンツで試してみたいです。
PVが落ちた記事をリライトしたら最も効果を発揮
3年前は毎日2,000PVくらい頂いていたある記事があったのですが、ここ1年はずっと下火でした。
もちろん、その間のGoogleアップデートが影響していたり、多くのブロガーの贋作で負けてしまっていたり、リライトしなかったことが原因ではなかったので、3月に書き足しを決行。
すると、信じられない結果になりました。
リライトしたのが3月1日で、3月27日~28日にかけていきなりアクセスが集中し、4月8日になると大爆発してしまいました。*これは、一つの記事のPV数です。
グラフでは見づらいのでPV数を日別に表すとこんな感じです。
3月23日・・・49PV
3月24日・・・72PV
3月25日・・・59PV
3月26日・・・32PV
3月27日・・・506PV
3月28日・・・1,616PV
3月29日・・・497PV
3月30日・・・428PV
3月31日・・・457PV
4月1日・・・248PV
4月2日・・・281PV
4月3日・・・458PV
4月4日・・・357PV
4月5日・・・571PV
4月6日・・・716PV
4月7日・・・1,066PV
4月8日・・・3,160PV
4月9日・・・3,332PV
4月10日・・・8,101PV
4月11日・・・20,335PV
4月12日・・・14,219PV
リライトした文字数は500文字程度、コンテンツに関連する最新のキーワードを散りばめて、SEOはかなり意識しました。
実はこの記事が再浮上したのに気付くのが遅くて、4月6日にもリライトしています。
それらが功を奏したのか、以前は2,000PVほどあった昔の稼ぎ頭が1日数十PVに落ち込んでいたのに、リライト後は2万PVを記録するまで再ブレイク。
これで何となくわかった気がするのですが、リライトで気付いた点をまとめてみます。
実践から分かったSEOに効果的なリライトの条件
元々検索エンジンに評価されていない記事はリライトしても効果が低い
リライトの内容が余程秀逸でない限り、元々検索エンジンに評価されていない記事をリライトするのは効果が低いように感じました。
それをリライトするならば、新しい記事として書くのが良い気がしますが、同じサイトに類似のコンテンツがあるのは良くない事なので違ったコンテンツに見せるように書く必要があります。
しかし、元々検索エンジンに評価される書き方が出来なかったので、新しく同じようなタイトルの記事を作っても結果は同じでしょう。
つまり、検索エンジンに評価されない・検索からの流入が少なかった記事というのは、諦めてしまうのが一番良いという気がします。
Naverまとめが無くなったように、ライバルと言えるようなコンテンツが検索結果からリジェクトされた場合に限り、評価の低い記事でもリライトは効果が出るかもしれません。
順調に伸びている記事はリライトをしない方が良い
何を基準にして伸びているのかどうかを判別するのか、個々によって異なるとは思うのですが、「この記事は十分結果が出ているな」と感じる記事は、いくらリライトしたいと思ってもしない方が良いです。
目的のキーワード検索で、現在2位だから1位を目指すためにリライトするぞ!と意気込んでも、逆に順位を下げる場合もあるということです。
そのような場合は、リライトで順位を上げるのを目指すのではなくて、SNSなどでの被リンクなどの別な要素でSEO対策をする方が良いでしょう。
時間が経てば順位が逆転していることもかなりあります。
ちなみに、筆者の場合は、伸びている記事のリライトで失敗の連続だったため、試行回数は少なめ。
本当に良いイメージがないからお勧めしないだけであって、もしかしたら伸びている記事でも効果的なリライトのコツなどがあるかもしれません。
過去に評価をされていて落ち目になった記事こそリライトをすべし!
常識なのかもしれませんが、過去に評価されていて放置していたら落ちてしまった記事をリライトすることほど、かなり強いのではないかと考えました。
前述のとおりの結果も出ている上に、一般的にSEO対策で考えられている常識にも当てはまるんですよね。
ドメインは古いものほど評価されると言われていますが、記事のURLも同じでしょうし、ある程度アクセス数や滞在時間があるページほど評価されるというのも、過去に評価されてPVが多く集まった記事なので新規の記事よりも評価されるという理屈は通用しそうです。
PV数が落ち目の記事をリライトして、全盛期の水準に戻すことができるばかりか全盛期以上のPVを稼ぐことも出来る可能性があるはず。
アナリティクスで1年以上前のユーザーの「行動」から各ページのPV数と、現在のと比較してみて落ち込みが激しいものに関してはリライトを検討してみると良いかもしれません。
リライトは個人的に懐疑的な印象でしたが、この条件に限定すれば絶対にオススメしたいSEO対策のひとつと言えそうです。