WEBデザイン

CMSに適していないホームページの業種。静的サイトはHTMLで簡単に作ろう!

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更新頻度がほとんどない、もしくは年に数回程度というサイトでWordPressなどのCMSを使っていたら、システムやプラグインのアップデートをついつい怠ってしまいます。

そのような更新頻度の少ないサイトをCMSを使って作るのはあまりにナンセンスです。

今回は、CMSを使って制作するべきでないホームページの業種とその理由を簡単に解説します。

 

動的サイトと静的サイトの違い

WordPressやMovableTypeなどのCMSを使ったWEBサイトは動的サイトと言われています。
簡単に説明するなら、PHPやJavaScriptなどで動いているサイトです。

管理画面が存在し、「お知らせ」の更新や新規ページの追加が簡単にできて非常に便利ですが、数多くのプログラムファイルがサーバーに保存されていてシステム化されているため、アップデートなどのメンテナンスが必須となります。

 

一方で、静的サイトと言われるWEBサイトは、HTMLだけ(もちろんCSSなども含む)でページを表現するサイトです。
制作するにはひとつひとつのページを作るためにページの量によって時間が多くかかります。

ほとんどのWEBサイトはヘッダー、フッター、ウィジェット部分はサイトによって共通しているので、ひとつのページを追加するには同じソースで構成させれば良いのですが、ヘッダーメニューの部分などはページ毎に変えなければならず、とても時間がかかる作業になります。

 

2000年頃までは、一般のWEB制作会社が作成するWEBサイトのほとんどが静的サイトでした。

1995年にPHPが登場してから2021年現在のバージョンは8.0まで進化していますが、PHPの存在は動的サイトに欠かせないものとなり、2020年時点では55%以上がCMSを使っているそうです。もちろん、CMSを使っていない動的サイトもたくさんあるので、8~9割は動的サイトと考えても良いでしょう。

ちなみに、動的サイトは「スライドショーや動画が入っているサイト、文字が動くサイト」などのように勘違いされるケースもありますが、静的サイトでもそれらのような「動き」は表現できます。
動的サイトは更新や管理がしやすいようにシステムが入っていて、静的サイトは更新や管理はファイルを直接書き換える必要があるというニュアンスが程よいですね。

 

静的サイトのメリット

静的サイトは何と言っても運営に手がかからないのが魅力です。

動的サイトはPHPやJavaScriptだけでなくデータベースも使われているため、バージョンのアップデートやシステム自体のアップデートが必須。
怠ってしまうとサイトが危険にさらされてしまいます。

静的サイトは、HTMLとCSSだけの非常に単純な構造ですので、特に必要なメンテナンスはありません。
レンタルサーバーを使っている場合がほとんどでしょうが、サーバーのメンテナンスさえしていれば大丈夫です。

たしかにページが多くなれば工数もかかってしまうデメリットもあるのですが、ページを更新する必要がないので一度作ったら基本的には放置で大丈夫。

お問い合わせフォームなどを設置している場合は、メンテナンスが必要になることもあります。

 

ちなみに、最近では「静的サイトジェネレーター」というサービスが多く公開されています。
Gatsby、Jekyll(ジキル)、Phenomic(フェノミック)など色んなサービスがあるので、簡単に静的サイトを作ることが可能になりました。
気になる方は、これらのサービス名で日本語で検索してみると良いかもしれません。

 

それでは、動的サイトがほとんどになった今、静的サイトが向いていると思われるホームページはどのようなものになるか。
WEB制作会社として、知り得る範囲でご案内します。

 

ホームページを作るにあたり、静的サイトが適している業種

寺院や神社などのホームページ

お寺や神社などでもホームページを展開する時代になりました。
比較的大きな寺院や神社は動画を埋め込んだり、動きのある演出をWEBで表現してオシャレ感を出していますが、やはり更新はかなり少なめ。

概要ページで案内する住職や神主の情報がありますが、コロコロ入れ替わることはありませんし、ホームページで公開するべきの休業日などのお知らせもほとんどありません。

やはりどの寺院や神社のホームページを見ても更新頻度は限りなく低いため、確実に静的サイトで構築した方が良い業種です。

 

葬儀場、火葬場のホームページ

ホームページでは高級感や丁寧さをアピールするべき葬儀場や火葬場。
ここ数年では特に葬儀場のホームページは豪華になってきた印象があります。

しかし、葬儀場や火葬場ってお知らせすることがほとんどありません。
利用方法や施設の雰囲気、価格帯、問い合わせ先、受け付けの方法などを掲載していれば集客が可能です。

予約を入れたり、キャンペーンをうったり、ポイントなどの特典を付与したりするような業種ではありませんので、更新する必要がほとんどないはずです。
確実に静的サイトで構築した方が管理も楽になるでしょう。

 

老人ホームなどの老人向け施設のホームページ

老人向けのサービスというのは、大抵がその家族がホームページを見て問い合わせます。
老人本人がホームページを見て入所を判断するケースもあるかもしれませんが・・・。

頻繁に閲覧されるようなものでもありませんし、施設側としては個人情報を公開するわけにはいけませんので、更新するような情報も少ないはず。

また、入所者は365日宿泊しているので営業日などもありません。
基本的には24時間、いつでも受け付け体制が整っていなければならないため、お問い合わせページが1枚あれば充分です。

なので、一度作ってしまえばほとんど更新することはなくなってしまいます。

ただ、特養(特別養護老人ホーム)に関しては法的にHP上で運営に必要な資産などの情報開示が必要になります。
なので、開示する必要がある施設に関しては年に1度は更新が必要になりますね。

 

ちなみに、老人向けのデイサービスなどは動的サイトの方が良いかもしれません。
というのも、日帰りで老人が利用するサービスなので、ある程度変化する情報を公開する必要があるからです。

例えば、デイサービス利用者が楽しむための毎週決まったイベントを掲載しているよりも、毎週違ったイベントを掲載する方がサービスとして評価されますよね。
毎週決まったイベントであれば静的サイトでいいのですが、毎週違ったイベントをお知らせページなどに掲載するには、動的サイトで頻繁に更新するべきです。

 

興信所、探偵事務所のホームページ

興信所や探偵事務所は利用者の情報を少しでも公開してしまうとアウトです。

また、土日平日にかかわらず営業しているケースがほとんどですので、税理士事務所や弁護士事務所、建築事務所などとは違って、休業日もほとんどないはずです。

なので、お知らせに何も掲載することがないんですね。

あるとすれば、実績の内容や件数くらいでしょう。
それらも年に1~2回程度、実績ページで更新すれば良いのではないでしょうか。

ちなみに、利用者は初めは匿名性を強く求めてサービスの内容を知りたがるので、お問い合わせフォームは必須です。
静的サイトで作る場合は、フォームはセキュリティのしっかりしたgoogle formで充分です。

 


 

これらの他にも何のホームページを作るかによって、確実にHTMLだけで作る静的サイトの方が良い業種があります。
WordPressなどのCMSを導入する前にちょっと待って、、、更新頻度も高くないし会員登録機能やお問い合わせフォームや予約フォームも設置する必要がなければ、HTMLで簡単にサイトを作るのも検討してみてください。

静的サイトは構築や更新に手間がかかるデメリットがありますが、更新頻度の少ないサイトは絶対に静的サイトで作った方が中長期的に見るとコストもリスクも手間も省けます。

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