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2020年12月のGoogleコアアップデートで一変したWEBコンテンツの書き方

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WEB制作においてコンテンツの構成方法はデザインよりも重要と言えることがあります。
企業やブランドのイメージを表現する場合はデザインが重要ですが、「WEBサイトを幅広く見せる」目的とした場合は、コンテンツの中身が重要です。

WEB制作会社は常にSEOは勉強しておかなければいけないカテゴリーで、AIが搭載された検索エンジンのアルゴリズムはコアアップデートと呼ばれる”ルール変更”が年に数回行われるため、より新しい情報を仕入れなければなりません。

2020年12月4日に、検索エンジンのシェア90%を誇るgoogleはこれまで以上のコアアップデートを行いました。

今回は、そのコアアップデートにおける変化を読み取り、これからのWEBコンテンツを構成する際のポイントを解説します。

なぜ、頻繁にアップデートが行われるのか

突然ですが、googleの社名の由来をご存知でしょうか。
googleは検索エンジンの仕組みを1996年にスタンフォード大学の博士課程に在籍するラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが開発したことから始まりました。

2000年9月に検索エンジンはサービスを開始。
当時のWEBサイトは被リンク数に応じて検索順位を決定する単純なモノでしたが、数の単位を示す「グーゴル(googol)」を文字ってGOOGLEと名付けられています。

その後、WEBサイトが乱立し始め、単純に被リンク数だけで評価されるものから、アクセス数、UU数など総合的な評価を機械的に行うようになります。

そういえば、私が学生だった2003年あたりに、友人がサイトの検索順位を上げるため自分で作ったサイトを、毎分何十回もアクセスを繰り返していたのを思い出します。

 

被リンク数だけで評価されていた頃は、HTMLとCSSだけで構成されたようなコンテンツの薄っぺらいサイトでも、他サイトに被リンクを貼りまくって評価を上げることができていて、その後、アクセス数が評価されるようになると、「自動アクセス機」なるソフトが出回り評価を上げられるようになりました。

googleはこういった現状を打開するべく、「情報を求める人たちに有益なサイトを、より適正な評価で順位付けするべき」と考えて、検索アルゴリズムのアップデートを繰り返しています。

 

コアアップデートの内容は基本的には非公開

検索エンジンのアップデートの内容は基本的には非公開とされています。

詳細まで公開すると、数億人ものユーザーに対策されてしまい、検索エンジンの求める適正な評価ができなくなってしまうからです。

 

とは言え、ある程度は公開されます。

2011年、2012年あたりだったと思いますが、検索エンジンが大きなアップデートをしました。
「パンダアップデート」と「ペンギンアップデート」と呼ばれるのがそれです。

パンダアップデートは「コンテンツの質が低いサイトをマイナス評価する」というもので、ペンギンアップデートは「googleが定めるガイドラインに違反するサイトをマイナス評価する」というものです。

これらのアップデートのように、多少はアップデート内容を公開しており対策をとることもできるのですが、公開された内容に対して対策をとることによって、googleが求める適正な評価でサイトの検索順位が決定づけられるということなんですね。

 

これまでの大きなコアアップデート

googleの検索エンジンは年に2回~4回程度の大きなアップデートを行います。

その度に検索順位の変化があったりしますが、1万PVあったWEBサイトがアップデートで0PVになってしまったというのは聞いたことがありません。
大きなアップデートでもせいぜい半分くらいに落ちてしまったとか、その程度でしょう。(それでも大ダメージですが・・・)

 

個人的に記憶しているこれまでの大きなアップデートはいくつかあります。

まず、2011年あたりのパンダアップデートです。
ちょっと変わった名前ですが、多くのWEBサイト制作者と運営者を苦しめたアップデートとして記憶しています。

パンダアップデートは、記事(コンテンツ)が自動で作られたものや、無断で複製されたものを大きくマイナス評価し、おまけに社会性の高いサイトにアダルト系などの相応しくない広告が掲載されているものまで評価をグンと下げました。

これにより、検索上位にヒットするサイトは一変。
贋作のようなチープなコンテンツや、アダルト系などの高単価の広告を掲載しているは淘汰されていきました。

 

パンダアップデートとセットで語られるのがペンギンアップデートです。

ペンギンアップデートは2012年あたりに第1回目を実施しています。内容は被リンクを貼りつけただけの中身の薄っぺらいコンテンツの評価を下げるという内容です。

今はあまり見ませんが、外部サイトのリンクだけで構成されたようなまとめサイトが乱立していたので、それを防ぐものですね。

 

パンダアップデートもペンギンアップデートもこれまでも何度も内容を刷新して、より適正な評価をするようになってきています。

 

もうひとつ、大きなアップデートを紹介するなら、2017年の医療・健康に関連するサイトの評価を下げるアップデートです。

googleの検索エンジンが世界中の多くの人たちに利用されるようになり、体の異常に関する検索も行われるようになりました。
すると、アクセス稼ぎのサイトは医学の知識がないのにもかかわらず、間違った情報などでも記事にしてしまい、それによって人々の健康に影響が出てしまったという声が続出。

たしかに、体の調子が良くないときは病院に行く前に検索してしまいますが、間違った情報サイトでも鵜呑みにしてしまうととんでもないですよね。

googleはそのような問題にも着目。思い切ってアップデートし、医療と健康に関するサイトの評価を下げたり、検索にヒットしないようにしたりしました。

現在では、医療関連のサイトもヒットしますが、発信者がしっかり明記されているなど限定的に検索エンジンにヒットさせる仕組みになっています。

 

他にも大きなアップデートは何度も行われていますが、私の記憶している検索順位を大きく変えたアップデートはこの2つです。

 

2020年12月のコアアップデートが凄い

2020年12月4日(アメリカでは12月3日)に大きなアップデートがありました。

google検索の広報を務めるGoogle searchliaisonも、アップデート開始の3時間前にTwitter上でアナウンスして実行されました。

年に数回やっているように、今日のこの後、広範囲にわたるコア アルゴリズム アップデートを実施します。今回のアップデートはDecember 2020 Core Update と呼びます。アップデートについてのアドバイスはこれまで紹介したものと変わりありません。

私もたまたま、このアナウンスを見ていたのですが、正直に言って「5月のアップデートで順位が大きく変わったから、今回はさほど影響はないだろう」と思っていました。

 

しかし、今回のアップデートはこれまで以上でした。

まずは、私の運営するメディアサイトのアナリティクスの順位変化をご覧ください。(直近1カ月のPV)

12月4日まで1,000PV超えていなかったのですが、4日以降はPV数が1,000を超えることも。
コアアップデート以降は平均で約1.7倍くらいになりました。

 

こちらも12月4日まで5,000PVを越えていませんでしたが、コアアップデート以降は5,000PV前後で推移しています。
このサイトはマイナーなコンテンツばかりで、記事のほとんどが検索上位だったのですが、全て1位になっているような感じです。
だいたい1.3倍くらいになっていて、5月のアップデート前の水準に戻りました。

 

このサイトに関してはアップデート前と後では2倍以上のアクセス数の差が生まれました。
11月の1日最高PV数よりも、アップデート以降の最低PV数の方が多いという結果に。

 

一番すごかったのがこのサイト。
アップデート以降は3倍ほどのPV数を記録するようになりました。
5月のアップデート以前もここまではありませんでしたが、数カ月も放置しているようなサイトでしたので、これはビックリです。

 

他にもPV数が多いサイトは2つほど展開していますが、大きく変化のあったサイトを案内しました。
変化があったサイトとなかったサイトから、いろんな事が分かりました。

 

December 2020 core update(12月アップデート)で何が変わったのか

googleは検索セントラルのブログ記事の中で、「今回のアップデートに関するガイドラインを示すなら、これまでと同じですよ」という様なことを書いています。
また、「コンテンツに集中しよう!」との見出しでは、オリジナル性と専門知識を盛り込むことなど、今日のSEO対策で重要な部分を強調。
相変わらず重要な核心部分には触れていませんが、あまりに複雑化されたアルゴリズムを表現するのは困難なのでしょうね。

 

アップデートが行われてから、SEOの知識が多い人たちがYoutubeなどでも解説していますが、そこから読み取れることとして、

12月のアップデートで5月のアップデート以前の状態に戻った

という様な事が言われています。

私もそれについては激しく同意しますが、付け加えるなら「コンテンツ重視の要素が以前よりも強まった」と思えます。

また、コンテンツの重要性を見極める要素としてサイト滞在時間をより重視するような傾向があるのではないかと考えています。

というのも、検索順位を上げたコンテンツは、サイト滞在時間が長い傾向にあることに気付きました。
もちろん、以前から滞在時間は評価対象になることは周知の事実ではあったものの、今回のアップデートでPV数の増えたコンテンツが滞在時間の多い物ばかりだからです。

 

これからのコンテンツの書き方

書き方というよりも構成の仕方を考えた方が良いかもしれません。

コンテンツに独自性や専門性があることは当然で、「ユーザーが興味を示して長い時間コンテンツを閲覧する」ことが必要なのかと思います。

つまり、いくらコンテンツが良くても読みづらくてはダメ。
動画や画像で興味を引くことはもちろん、適宜改行を施して文字の強調やレイアウトなどは見やすさ・読みやすさを意識しなくてはならないでしょう。

また、最近では多いのですが、重要な文字の色を変えたり太文字にしたりするのは良いけど、それが多すぎて読みにくくなってしまっているコンテンツをよく見かけます。

如何にして一言一句読ませるか、読んで良かったと思わせられるような構成ができるか、そのようなことを意識する必要があるということですね。

 

今後もgoogleコアアップデートは何度も繰り返されます。
将来的には贋作(パクリ)の判別性能が強くなったり、他者を中傷するようなサイトが評価されなくなるなど、色々なアップデートがあるはずです。

しかし、今回のアップデートに関しては5月のアップデート以前の状態に戻ったということですので、長く採用されるアルゴリズムとなったでしょう。

一時的なアクセスを稼ぐのではなく、長く読まれるような愛されるコンテンツ作りに励むと良いのかもしれません。

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自社で6つのメディアサイトを運営し、2020年は総数1,000万UU達成しました。全てのサイトの9割を検索で流入させており、実践に基づいたSEOの知識を当サイト内で公開中。

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